統一講習会と告示研修、どちらを先に受けるべきか迷っていませんか?
両方を受講した現役技師の視点から、実務に直結するのはどちらかを整理します。
*本記事の内容は現行制度を中心にまとめていますが、一部体験談や過去事例を含むため、詳細は必ず公式情報をご参照ください。
結論:実務重視なら告示研修がおすすめ
統一講習会と告示研修、どちらも受講しましたが、
実務に直結するのは圧倒的に告示研修だと感じました。
- すぐに造影検査を担当したい
- 業務拡大に対応したい
- 現場で「できること」を増やしたい
こうした方には、まず告示研修をおすすめします。
一方で、統一講習会は
・BLS(一次救命処置)
・IGRT
・法令や制度の整理
などを体系的に学べる研修でした。
新人や、普段担当しないモダリティを学び直したい方には価値がある研修だと思います。
この記事では、両方を受講した現役技師の視点から、
「どちらを優先すべきか」を本音で解説します。
統一講習会と告示研修の違いは?
統一講習会と告示研修の違いは、主に下記の通りです。
| 項目 | 統一講習会 | 告示研修 |
|---|---|---|
| 目的 | 2014年法改正対応 | 2021年法改正対応 |
| 必要性 | 任意 | 条件により必須※1 |
| 開催形式 | 会場2日間 (DVD講義+実習) | eラーニング+会場1日 (講義+実技) |
| 試験 | あり(選択式の筆記試験) | なし |
| 主な内容 | 静脈への造影剤注入と抜針・止血、画像誘導放射線治療、下部消化管検査など | 静脈路確保・造影剤注入・抜針・止血、RI検査医薬品の注入、下部消化管検査、上部消化管検査、動脈路への造影剤注入など |
| 所要時間 | 約2日 | eラーニング(約700分)+1日 |
※1 告示研修は、2024年4月1日より前に放射線技師の免許を取得した方、または同日前に国家試験合格後に免許を取得した方が、2021年法改正によって追加された業務を行う際に、受講が必須となります。同日以降に国家試験に合格した方は、告示研修を受講しなくても、新しく追加された業務を行えます。
出典:診療放射線技師の新たな業務範囲の見直しに伴う告示研修参加のお願い|公益社団法人 日本診療放射線技師会
・統一講習会は2日にわたって開催されます。会場で講義(DVD)を1日半視聴、2日目の午後に実習があります。告示研修では、まず自宅などで基礎研修(e-ラーニング(700分))を受講し、その後、会場で1日の実技研修を受けます。午前中に会場で座学(動画視聴)、午後は実技になります。
・統一講習会では画像誘導放射線治療(IGRT)やBLS(一次救命措置)などがありますが、告示研修では内容に含まれていません。
・告示研修では、静脈路の確保、上部消化管検査のため鼻腔カテーテルから造影剤を注入、鼻腔カテーテル抜去などがありますが、統一講習会では内容に含まれていません。
・全体の印象として、統一講習会は、解剖や装置、検査全体の解説、法令関係などがより詳しく、一時救命措置なども含んでおり、放射線技師が知っておくべきことを、包括的に学べました。告示研修は簡潔ながらも、消毒や三方活栓の接続などの手技、声掛け、副作用の説明などの実務的な重要ポイントがしっかり解説され、明日からでも検査ができそうなほど実践的でした。
会場や年度によって差異のある部分や、私の受講時の体験・印象による部分を含みますので、受講の際は「公益社団法人 日本診療放射線技師会(以下、技師会)」の公式サイトや出典として挙げているサイトもご参照ください。
出典
実務で役立つのはどっち?
正直な印象としては、
現場で直接“できる業務が増える”のは告示研修です。
静脈路確保
RI投与
動脈路操作
上部消化管検査
など、実技が中心で、
「明日からやる」前提の研修でした。
一方、統一講習会は
・解剖の整理
・装置理解
・IGRTの理論
・BLS
など、知識の土台を広げる印象。
すぐ業務が増えるというより、
“放射線技師としての幅を広げる”研修でした。
ポイント別の「おすすめ受講タイプ」
こんな人は告示研修を優先
✔ 造影検査を担当予定
✔ 業務拡大にすぐ対応したい
✔ 職場から受講を求められている
✔ できる業務を増やしたい
→ 告示研修を先に。
こんな人は統一講習会もあり
✔ 新人
✔ 普段やらない検査の基礎を学び直したい
✔ BLSを学びたい
✔ IGRTを体系的に整理したい
→ 統一講習会も有用。
すぐに実務を担当したいなら告示研修、幅広くしっかり学びたいなら統一講習会もご検討ください。
告示研修は原則必須で即戦力重視、統一講習会は任意ですが、基礎知識からしっかり学べるためです。
例えば、造影検査をすぐ担当したい方は告示研修から受講が推奨されます。
ただし、両講習とも安全かつ質の高い医療提供のため有用ですので、可能であれば両方の受講が推奨されています。
目的に応じて選択することが重要です。
個人差やお勤め先のポリシーにもよりますので、受講の際は必ず所属施設や公式ガイドラインを参考にしてください。
統一講習会を受けなくても告示研修は受講できるのか
診療放射線技師免許を取得していれば、統一講習会を受講しなくても、告示研修を受講できます。
以前は、「統一講習会修了者の先行申込特典」がありましたが、2025年度からは廃止されました。
統一講習会は、業務拡大分野への理解を深める目的で全国的に開催・推奨されていますが、告示研修を受講するための必須条件ではありません。
2015年以降に養成課程に取り入れられた新カリキュラムを履修していない場合でも、診療放射線技師免許を持っていれば統一講習会を経ずに告示研修を受けることができます。
最新情報については、日本診療放射線技師会(JART)の情報システムで随時ご確認ください。
まとめ
本記事では、2024年に「業務拡大に伴う統一講習会」、2025年に「告示研修」を受講した現役診療放射線技師ナツが、両講習の違いや受講の優先度を詳しく解説しました。
統一講習会は2日間にわたって開催される、任意受講の講習です。
一方、告示研修は条件によっては受講必須で、基礎研修をeラーニングで行い、会場での実技研修を1日実施します。
受講を急ぐかどうかやどちらを優先すべきかは、業務の必要性や個人の状況によって異なります。
記事内のフローチャートを参考にしながら、適切な講習を選んでください。
いずれも安全で質の高い医療提供のために重要な研修です。
また、本記事の内容は年度や会場、制度改正により変更される場合があります。
最新情報は技師会の公式サイトでご確認ください。
告示研修や統一講習会について、他にも記事を書いていますので、ご興味がありましたらご覧ください。


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