- 令和6年4月1日より前に免許取得した技師が、業務拡大項目を行う場合は告示研修の修了が必要です。
- 修了すると、造影CTやRI検査での静脈路確保などが可能になります。
- 基礎研修(約12時間)+実技研修1日で構成されています。
告示研修とは、令和3年の法改正により拡大された診療放射線技師の業務を、安全に実施するために設けられた公式研修です。
「自分は受けなければいけないの?」
「まだ受けていないけど大丈夫?」
「実際どんな内容なの?」
この記事では、2025年に告示研修を修了した現役診療放射線技師の立場から、
- 告示研修の概要
- 受講対象者
- 修了するとできること
- 難易度や費用
- 受講判断のポイント
を、できるだけわかりやすくまとめます。
受講を迷っている方や、自分が対象か確認したい方の参考になれば幸いです。
告示研修とは
告示研修は、令和3年の法改正による、放射線技師の業務拡大で、新たに追加された手技を安全に行うための公式研修です。
基礎研修と実技研修で構成されています。
詳しくは、「公益社団法人日本診療放射線技師会(JART)」(以下、技師会と省略)公式ホームページから、生涯教育情報の告示研修特設サイトをご参照ください。
告示研修の受講義務と対象者
告示研修について、「自分は受けなければいけないの?」という点が一番気になる方も多いと思います。
告示研修の受講対象となるのは、令和6年4月1日より前に診療放射線技師の免許を取得した者、または同日前に国家試験に合格した者です。
これらの対象者が、法改正により追加された業務を行う場合には、厚生労働大臣が指定する研修(告示研修)の修了が義務付けられています。
一方、令和6年4月1日以降に(新カリキュラムで養成課程を修了し)免許を取得した診療放射線技師については、当該内容が教育課程に含まれているため、原則として告示研修の受講義務はありません。
(出典:「診療放射線技師の新たな業務範囲の見直しに伴う告示研修参加のお願い」(技師会公式サイト))
ただし、
✔ 勤務先によっては修了確認を求められる可能性
✔ 将来的な制度改定の可能性
✔ 転職時に確認されるケース
など、実務にあたっては施設や地域の指導に従い、必要に応じて告示研修を受ける場合があります。
法改正の背景や制度の詳細はこちら
▶︎告示研修とは?制度の概要・受講義務・対象者をわかりやすく解説
告示研修を修了すると実施できる行為
告示研修を修了すると、医師または歯科医師の具体的な指示のもと、次の行為を実施できるようになります。
① 核医学(RI検査)
- 静脈路の確保
- 放射性医薬品投与用装置の接続
- 投与装置の操作
- 投与終了後の抜針・止血
※静脈路確保は装置接続行為に含まれます。
② 造影検査
静脈路(CTなど)
- 造影剤注入装置を接続するための静脈路確保
動脈路(IVRなど)
- 動脈路への造影剤注入装置の接続(※動脈路確保は含まれない)
- 造影剤注入装置の操作
③ 消化管検査
下部消化管検査
- 肛門へのカテーテル挿入
- 造影剤・空気の注入
- 吸引
- カテーテル抜去
※一連の行為として実施可能(令和6年通知で明確化)
上部消化管検査
- 鼻腔カテーテルからの造影剤注入
- 注入後のカテーテル抜去
実施にあたっての条件
これらの行為はすべて、
- 医師または歯科医師の具体的な指示のもとで実施
- アナフィラキシー等の緊急時に即応できる体制下で実施
- 医療機関内で十分な教育・指導監督体制を整備
が求められています。
参照:
- 技師会公式サイト
- 診療放射線技師の新たな業務範囲の見直しに伴う告示研修参加のお願い(技師会公式サイト)
- 「臨床検査技師等に関する法律施行令の一部を改正する政令等の公布について(医政発0709第7号 令和3年7月9日)」(厚生労働省)
- 「法令改正を行いタスク・シフト/シェアを推進する業務について」(厚生労働省)
- 「現行制度の下で実施可能な範囲におけるタスク・シフト/シェアの推進について」等に関するQ&Aについて〔臨床検査技師等に関する法律〕(令和6年通知)(厚生労働省)
こんな人は受講を検討
✔ 造影CTを担当している
✔ 今後IVRに関わる可能性がある
✔ 転職を考えている
✔ 職場で修了確認が始まっている
告示研修は、約12時間の基礎講習があります。
その後の実技研修も、タイミングよく開催されているかはわかりません。
開催地が遠方なら、泊まりがけになることも考えられます。
私は基礎研修を数週間かけて修了しましたし、修了証の発行にも数ヶ月かかる場合があります。
今後、告示研修後にできるようになる業務に携わる可能性のある方は、早めの受講をお勧めします。
どのくらいの人が受講している?
日本診療放射線技師会公式サイトに次のような記載があります。
「令和6年12月31日現在
告示研修申込者数: 41,861名 73.6%
基礎講習修了者数: 36,613名 64.4%
実技研修修了者数: 29,934名 52.7%なお、診療放射線技師数は56,845名(厚生労働省令和2年医療施設調査・病院報告)で計算している。(引用元:技師会公式サイト)」
修了者は年々増加しており、今後も一定数の受講が継続すると考えられます。
令和6年12月末時点で、実技研修まで修了している技師は約52%となっています。
すでに半数以上が修了している一方で、まだ受講していない技師も一定数存在する状況です。
勤務先の方針や担当業務によって必要性は異なりますが、「周囲の受講状況」も判断材料の一つになるかもしれません。
令和6年4月1日以降に診療放射線技師の免許を取得した方で、技術の向上などを目的として告示研修の受講を希望する場合は、放射線技師であれば誰でも受講することができます。
最新情報や詳細は技師会公式サイトをご確認ください。
技師会公式サイト
告示研修の流れと内容(基礎研修・実技研修)
告示研修の流れ
告示研修は、オンライン講義(eラーニング)と確認テストによる基礎研修を修了後、実技研修に1日参加します。
基礎研修
告示研修(基礎研修)は約12時間の講義(e-ラーニング動画)による学習です。
自宅のパソコンやスマートフォンなど、通信環境があればいつでも視聴できます。
5つの各テーマごとに⚪︎×形式の確認試験があり、全問正解しないと修了出来ません。
ただし、確認試験は合格するまで複数回受け直すことができますので、安心です。
この基礎研修を修了することで実技研修への参加資格を得られます。
基礎研修の内容・難易度はこちら
▶︎【2025年版】告示研修(基礎研修)の内容・所要時間・難易度まとめ
実技研修
告示研修(実技研修)は、1日で完結します。
午前中は講義(動画視聴)、午後は実技演習が行われます。
私が参加した際は、講師の先生方が丁寧に指導してくださり、全体的に質問しやすい雰囲気で、安心して受講することができました。
試験はなく、遅刻や欠席などがなければ、問題なく修了できるかと思います。
実技研修体の体験記はこちら
▶︎【2025年最新版】告示研修(実技研修)体験レポ|難易度・予習・修了条件まとめ
告示研修の費用
費用は、基礎研修+実技研修で技師会会員10,000円。非会員30,000円。
詳しい受講料の内訳や支払い方法はこちら
▶ 【2025年版】告示研修の申し込み方法|JARTIS手順を解説
※研修の詳細や最新情報は技師会公式ページ等で必ずご確認ください。
公益社団法人 日本診療放射線技師会
まとめ(FAQ)
- Q告示研修はどんなことをする?
- A
オンライン講義(確認テストあり)による基礎研修を修了後、実技研修に1日参加します。
- Q告示研修では何が学べる?告示研修修了で、できるようになる業務は?
- A
造影CTやRI検査のための静脈路確保や止血、IVRでの動脈路への造影剤注入装置の接続と操作などの5項目です。
- Q受講しなければいけない?
- A
令和6年4月1日より前に診療放射線技師の免許を取得した方、または同日前に国家試験に合格した方が、上記5項目の業務を行う場合は、受講が必要です。
- Q告示研修の所要時間は?
- A
基礎研修がおよそ12時間、実技研修がおよそ9時間です。
- Q費用は?
- A
基礎研修+実技研修で技師会会員10,000円、非会員30,000円です。
▶︎告示研修(基礎研修・実技研修)の申込み方法、費用などはこちら
▶︎告示研修(基礎研修)のオンライン講義視聴方法、確認試験についてはこちら
▶︎告示研修(実技研修)体験記、難易度についてはこちら



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